当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が繰り返し発令される等、経済活動に大きな制約を受けました。その後、新型コロナウイルス感染症の第5波に対する緊急事態宣言の解除やワクチン接種率の増加に伴う感染者の減少もあり、経済活動は徐々に正常化に向かうものの、第6波の到来、オミクロン変異株の出現も影響し、サプライチェーンの混乱が回復しきれず、依然として厳しい状況で推移いたしました。オミクロン変異株の重症化率や死亡率の低さを踏まえ、防疫措置を緩和する動きは広がっているものの、家計の貯蓄は依然として過剰を示しており、需要回復の遅れが続きました。世界情勢を概観しますと、国や地域によるばらつきを伴いつつも、政策効果に支えられ、総じてコロナ危機による落ち込みから回復基調となりました。欧米先進国では、ワクチン接種率が上昇し、防疫と経済活動の両立が進みましたが、部品・原材料不足の深刻化、資源価格の高騰、中国の電力不足による生産減速などの影響から、回復のペースは減速いたしました。また、ロシアによるウクライナ侵攻が、資源・原材料高に拍車をかけ、地政学リスクによる調達難が世界経済に悪影響を及ぼしたことで景気回復に陰りが生じ、先行き不透明な状況で推移いたしました。このような状況の下、当社グループは、中期経営計画「第5次MMプラン」の2年目として神奈川エリアを中心とした水産物流通システムの構築を実現すべく、顧客密着型営業の展開によってグループ一丸となって邁進してまいりましたが、その成果は限定的であり、取り巻く環境の変化が大きく、中期経営計画「第5次MMプラン」の最終年度へ課題を残す結果にいたりました。その結果、当連結会計年度の売上高は37,592百万円となりました。なお、前連結会計年度に収益認識会計基準等を適用したと仮定して算定した前連結会計年度の売上高は33,194百万円となり、4,397百万円(前年同期比13.2%増)の増収となりました。利益に関しましては、経費節減に努めたものの、一部経費の増加の影響もあり、営業損失は152百万円と前連結会計年度に比べ67百万円(前連結会計年度営業損失84百万円)、経常利益は98百万円と前連結会計年度に比べ119百万円(前年同期比54.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は160百万円と前連結会計年度に比べ130百万円(前年同期比44.8%減)それぞれ減益となりました。
財政状態の分析は、次のとおりであります。(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、6,900百万円(前連結会計年度末は7,290百万円)となり、390百万円減少いたしました。現金及び預金の減少930百万円、受取手形及び売掛金の増加163百万円、商品及び製品の増加369百万円が大きな要因であります。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は、11,246百万円(前連結会計年度末は10,721百万円)となり、525百万円増加いたしました。新たな賃貸管理物件の取得による建物及び構築物(純額)の増加346百万円及び土地の増加347百万円、投資有価証券の時価評価差額等による減少90百万円が大きな要因であります。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は、3,443百万円(前連結会計年度末は3,259百万円)となり、183百万円増加いたしました。支払手形及び買掛金の減少129百万円、短期借入金の増加200百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加154百万円が大きな要因であります。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は、2,452百万円(前連結会計年度末は2,534百万円)となり、81百万円減少いたしました。長期借入金の減少60百万円、退職給付に係る負債の減少30百万円が大きな要因であります。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、12,251百万円(前連結会計年度末は12,218百万円)となり、33百万円増加いたしました。利益剰余金の増加64百万円、その他有価証券評価差額金の減少32百万円が大きな要因であります。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、売上高については、セグメント間取引の相殺消去後の数値であり、営業利益又は営業損失については、セグメント間取引の相殺消去前の数値であります。(水産物卸売事業)売上高は29,942百万円となり、営業損失は102百万円と前連結会計年度に比べ77百万円(前年同期 営業損失25百万円)の減益となりました。(水産物販売事業)売上高は7,284百万円となり、営業損失は113百万円と前連結会計年度に比べ45百万円(前年同期 営業損失158百万円)の改善となりました。(不動産等賃貸事業)売上高は114百万円となり、営業利益は52百万円と前連結会計年度に比べ33百万円(前年同期比38.7%減)の減益となりました。(運送事業)売上高は250百万円となり、営業利益は12百万円と前連結会計年度に比べ0百万円(前年同期比8.8%増)の増益となりました。